粉だらけの手と顔の君が…

付き合っている頃からわたしの誕生日にはケーキを焼いてくれた。
一緒に暮らし始めてからも毎年欠かさずにケーキを焼いてくれていた。
だけど、先月オーブンレンジの調子が悪くなって、故障してしまった。

修理に出さないといけないな…
って思いつつも日々の忙しさに追われて忘れていた。

今月誕生日だった。
オーブンレンジのこともケーキのこともすっかり忘れていた。

仕事を終えて友人らと外で食事を終えて帰宅すると、
テーブルにはクレープで作ったケーキが置いてあった。

オーブンレンジが故障で使えないのでフライパンで
一枚一枚クレープを焼いていたらしく焦げ目もついていたし、
生クリームも上手く出来なかったようでジャムを塗ってあった。

わたしの好物のメロンをいっぱい入れすぎて溢れている、
クレープを積み上げた花束のようなケーキ。

本当はすぐにオーブンレンジを修理に出しておけばこんなに苦労しなかっただろうに…。

「ケーキ、いっつも美味しいって言ってくれるから…」

と、言ってくれる粉だらけの手と顔の君がたまらなく愛おしい。

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