静かで優しい夜

朝起きてもお互い無言。
仕事から帰宅しても「おかえり」もなし。

休みもお互いスケジュールが合わずすれ違いばかり。

毎晩テレビが夫婦の代わりにお喋りをする時間が増えた。

嫁はいつも先に寝室に向かい布団に潜り込む。
私は晩酌を済ませ、しばらく経ってから寝室の布団へ体を預ける。

隣で寝ていたと思った嫁が冷たい脚を私の脚に絡めてくる。
「寒いの」
「うん。寒いね」

笑みを少し浮かべて嫁は静かになる。

しばらくして寝息を立て始めた嫁の寝顔を見て、自分も目を閉じる。

いつもありがとう。